洗浄が終わった鰊(にしん)を乾燥庫に入れるため、棒に差したまま台車に吊るしていきます。
ムラなく乾燥させるために、鰊(にしん)のサイズや製品タイプ(ソフト・八分乾・本乾)などを考慮し、段の位置や鰊の間隔を考慮し、調整しながら並べて吊るします。
身欠きにしんの品質を高めるための工夫の一つとして、長年蓄積されたノウハウはここでも生かされています。
台車に吊るした鰊(にしん)を乾燥庫に入れるところです。
身欠きにしんの乾燥工程は、まず最初に5~6時間乾燥させるところから始まります。
乾燥庫は温風が吹くだけの単純なものではなく、庫内の温度と湿度をセンサーで検知し、適切な乾燥状態に自動調整する機能を持っています。
乾燥庫に5~6時間入れて乾燥させると加工しやすい程度に水分が落ちます。
ここで、一旦乾燥庫から出して鰊(にしん)を3枚におろします。
サバサキリと呼ばれる薄刃の包丁を使って手早く鰊(にしん)を開き、身の部分をほとんど無駄にすることなく背骨だけを取り除いていきます。
3枚におろした鰊(にしん)を台車に吊るし、再度乾燥庫に入れます。
製品タイプ(ソフト・八分乾・本乾)によって乾燥時間は変わります。
ソフト身欠きにしんの乾燥期間は約1日、八分乾は1~2週間ほど乾燥させます。
本乾身欠きにしんは品質を高めるため、1ヵ月ほど乾燥・熟成期間を設けています。
ほどよく乾燥した身欠きにしんを乾燥庫から出し、ハサミを使って頭の部分をカットします。
棒から切り離された身欠きにしんをカゴに入れ、次の選別工程に進みます。
身欠きにしんを製品にする前の選別工程です。
身欠きにしんの乾き具合や、大きさと形で判断し選別を行っていきます。
形を整えるため、必要に応じてハサミを入れて整形します。
選別・整形された身欠きにしんを木箱に詰める工程です。
ひとつひとつ丁寧に箱詰めしていきます。
身欠きにしん製品には伝統的に木箱が使われています。
通気性に富み、身欠きにしんから出る脂分を適度に吸収してくれる木箱は、身欠きにしんを配送するための入れ物として最も適しているのです。
木箱に詰められ、梱包された身欠きにしんです。
品質の高い岩内産身欠きにしんは、様々な流通経路を経て百貨店やスーパーなど全国に配送されています。